BRAIN MAGIC SHOW/カミナリグモ

「不器用」の中に光る魅力

BRAIN MAGIC SHOW

BRAIN MAGIC SHOW




カミナリグモは、ボーカル&ギターの上野啓示とキーボード&シンセベース担当のghoma(成瀬篤志)の2人組バンド。


くるりのフリードラマー森信行をサポートとして迎え、
さらに今年はthe pillowsのライブ・レコーディングメンバーである鈴木淳をサポートベーシストに迎え、4人編成でライブは行っている。



今年の夏、the pillows 山中さわおプロデュース楽曲「ローカル線」でメジャーデビューを飾り、今作がメジャー1stアルバムとなる。












彼らの楽曲を聴いてまず思うこと。
それは「the pillowsっぽい…」ということだ。

本人達も最も尊敬し、影響を受けたアーティストといっている通り、
かなり空気感が似ている。

リズムも、唄い方も。
メロディーラインも。

というわけでピロウズ好きには是非聴いてほしい。


若干「不器用」なイメージはあるが、
1stとしてここまで出来上がっていれば、その不器用さもpillowsと似た魅力の一つだろう。

不器用だからこそ滲み出る温かみのようなものが、彼らの武器となっていくか。















で、違う点といえば、キーボードの存在。
けっこうファミコン的、ピコピコとした音が多い。



ピロウズでは基本的にはキーボードは使用しないので、
ピロウズの楽曲にキーボードの音色が足されたかのような感覚。


だが、実はピロウズもキーボードを使用していた時期があって、
「thank you my twilight」というアルバムと今回のカミナリグモはひじょーに酷似している。

この頃のピロウズもピコピコ音の楽曲をいくつか提供していた。


だが、今作はその頃のピロウズよりも、
キーボードの使い方は多彩だ。ピアノのようにしたり、そこからピコピコ音に戻したり。















オススメは、
2、4,6,8,11









その中で特に良いのは、
2,6




2.は自信を持ってオススメする、行進曲のようなロックナンバー。



ここから聴いてほしい。超ピロウズなわけだが。

山中さわお(the pillows)プロデュースだからしょうがないんだけどさ。
でもピロウズ好きとしては、こういう曲は大好物ですよ、と。





6.は
ピコピコ音のイントロと、その後のピアノ音とのギャップが特徴的。

ピアノ音が、サビ部分に柔らかさを与えていて、
「ローカル線」という曲名の持つ、どことなく漂う温かみだったり、優しさを感じられる。





4.は
いきなりイントロが、たむらぱんやさわやかJ-POPアーティストのような始まりでびっくりしたというね。どこか幻想的。







彼らがどう今後進むのかが気になる。

このままピロウズっぽさが出るのか。
それともそれを脱却して新しい方向を見出すのか。

いずれにせよ、まだまだ可能性に満ちている。



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1. brain magic show

2. こわくない

3. maybe lovesong

4. 流れ星を待つよ

5. 夕闇

6. ローカル線

7. misssion to mars

8. YAWN SONG

9. キミの気球

10. 20号

11. 夕立のにおい

12. Red Baseball

13. サワー