3Dはどこに行くのか? 1


映画『アバター』は、ストーリーが凡庸ながらもその美しい3Dの映像とジェームズキャメロン監督の演出力によって大ヒットを飛ばした。





その後も今年は多くの実写映画が3Dで公開された。だが、どれも元々2Dで撮られたものを加工してつくったものにすぎない。
最初から複数台のカメラを用いて奥行きと立体感を意識した『アバター』の演出力には遠く及ばない。


正直なんでもかんでも3Dにして、それをウリにして売り出そうとする映画が溢れ出してきて消費者はウンザリしだす可能性も内包しているのにだ。





なぜ各映画会社がこぞって3D化に乗り出すかといえば、それはやはり300円高く一人当たりの鑑賞者から金銭を取れるからだろう。


また、『アバター』ブームに便乗すれば『アバター』を観れなかった人々に関心を持たせ、初3D体験をさせようという目論見もあるのではないか。




個人的な感想ではあるが、やはり3Dアニメの方が圧倒的に3Dには適している。アニメのほうが動きの制限も少ないし、ダイナミックな映像が似合う。実写でやろうとすればどうしても驚かせるような演出(観客に向かって飛んでくる瓦礫、突然目の前に来る敵の攻撃などなど)が中心になってしまう。





これからの3D映画には、見世物的3Dでは無く、「自然な」ものを目指して欲しい。子供向け超ポップコーンムービーであれば見世物でもいいかもしれないが後世までのこるような作品は「自然な」3Dであることは間違いない。ファーストインパクトだけで消えない映画をどんどん作って欲しいものだ。