物語を紡ぐ曲による、兄弟の旅の軌跡
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明日がハガレン最終巻発売日ということで、今回はハガレンベストをとりあげます。
2009年4月から2010年6月まで続いたハガレンアニメの2期。
恐らくはもともと4クールの予定だったのだろうが、明らかに尺が足りないということで5クールになったと予想。(最終話の64話も、もともとは予定ではなく原作の最終回のボリュームがハンパじゃなかったので急遽追加された)
そんなわけで主題歌はなんと10曲という多さ。
人気原作をほとんどそのままアニメ化するということで、個人的には凄まじく主題歌に注目していた。
というのも、前回のハガレンアニメの布陣があまりにも最強だったからだ。
(ポルノグラフティのメリッサ、ラルクのREADY STEADY GO、アジカンのリライトなどなど)
前作はさらに、オリコン初登場1位を獲得。アニメ作品の首位獲得は、1997年の『EVANGELION:DEATH』以来史上4作目となるが、アニメ主題歌集の首位獲得は史上初の快挙。
そしてソニーはいきなり本気をみせてきた。
1クール目の主題歌には、復帰第一弾シングルのYUI、黒執事の主題歌で飛躍的に人気が向上していたシド。
YUIの主題歌は完璧に世界観とマッチし、個人的にも2009年屈指の神曲だった。
シドは錬金術世界なのに携帯電話を思わせるフレーズが歌詞にあり、若干違和感があったが曲自体は良いので、兄弟の少年時代を思わせると考えてしまえば余裕でした。
2クール目には
その前にNARUTOのEDを「Broken youth」という曲で担当した知る人ぞ知るバンド、NICO Touches the Walls
と
2008年に日曜ドラマ「スキャンダル」の主題歌を担当した福原美穂という渋い人選になった。
だが、ハガレンの世界観のマッチ度のみを単純に考えた場合最もマッチしていたのはこの2クール目だ。
NICO Touches the Wallsはこれまで変則的な曲やカントリー臭が混じっている曲が多かったため不安だったが、まさにOPにふさわしい、疾走感にあふれていて伸びやかな曲に仕上がった。
歌詞も完璧。
新たなキャラクター達が現れて大きく物語の枠が拡大し、人々の運命が交差し、エルリック兄弟が前へ進もうとする意志が反映されたようなものに。
ED・LET IT OUTは最後の使用となった26話の影響が大きい。
というのも26話のラストで大きく展開があり、そしてそのままEDのイントロが流れ出す。
そして、格好良く決まったところでそのままEDに突入する。
その演出がヤバイ。鳥肌モノ。
実は漫画とこのシーンでは若干異なっているため、放映を観たときは正直驚いた。
それ以来このEDは特別なものへと変化した。
3クール目は前回のハガレンと同様に主題歌は若干の中だるみ。
嫌いじゃないけど、他の主題歌に比べるとちょっと弱いか。
スキマスイッチ、Lil'Bという並びはそうとうPOPを意識したのかもしれない。
4クール目はまさかのCHEMISTRYで、しかもまさかのアップテンポ・ハードめのナンバー。
新しいCHEMISTRYの一面をみせようということでこういうサウンドにしてきたのだろう。
歌詞も音楽の方向性もハガレンに合ってはいるのだが、どこか物足りない。
綺麗にまとまりすぎてエッジがなかったとも言える。
前回はBLEACHであまり内容と関係ない主題歌「少女S」を披露していたこともあり、心配していたが、SCANDALは良かった。
ハガレンは話の終わり際にイントロがなり始めてそのままEDに突入するという格好よさげな演出があるので、ある意味EDは恩恵を受けている。
「瞬間センチメンタル」もその例に洩れない。物語の盛り上がりのポイントと丁度重なったためにさらなる恩恵もあったか。
ていうかこっちの方が余裕でOPっぽいです。どうもありがとうございました。
だからケミストリーの影が薄k(ry
そして最終クール。
OPにはまたもやシド。そしてまたもや内容を無視して雨の曲。(雨が降っていたら実は物語的に条件が成立しないwww)
でもOPはめちゃくちゃ凄い。ていうか雨の曲なのに違和感が無いように見える出来。
多分、OPの画で視聴者の気をそらしているのだろう(嘘)
でも良い曲なんだコレが。今年雨が降ると毎回聴いてます。
EDには中川翔子。
初の自分作詞の曲らしく、
どーせ微妙な感じになるんだろと思ってました。
そういう考えは聴いた瞬間一瞬で吹き飛んだ。
なにこれ完璧やん。内容とマッチングしすぎやん。素敵やん。
彼女は幼い頃に父を亡くしたらしく、その父に向けて書いたという詩。
そりゃあ内容とマッチするわけだよ。十分に想いがつまってるから。
自分もそれと似たような状況にあったためひじょーに共感する曲。
最後のクールにふさわしい感動的なナンバーだ。
総じて今回のベストは良かった。
想定されるユーザー対象範囲が広く、セールス的にも伸びる面子となったが、
案の定10万枚は売り上げたらしい。
来年の劇場版はまたシドなのだろうか…
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1.again/YUI
2.嘘/シド
3.ホログラム/NICO Touches the Walls
4.LET IT OUT/福原美穂
5.ゴールデンタイムラバー/スキマスイッチ
6.つないだ手/Lil'B
7.Period/CHEMISTRY
8.瞬間センチメンタル/SCANDAL
9.レイン/シド
10.RAY OF LIGHT/中川翔子
11.ドラマ/シド