絶望という暗闇の中の、淡い一筋のヒカリ
- アーティスト: 珠妃
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2011/01/26
- メディア: CD
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まず、言おう。これはヤバイ。
大事だからもう一回言おうこれはヤバイ。
ハマる人はとことんハマる。
まずなんともおどろおどろしいジャケットだ。
だが、このジャケットが今アルバムを象徴しているといっても過言ではない。
珠妃は、1月末のアルバム発売まで、いや今でさえも殆どが謎に包まれたアーティストだ。以前取り上げたClariSと同様にほとんど顔出しをしていない中学生アーティストらしい。ClariSほどは徹底してないだろーけど。
特徴は、儚げな歌声と凄まじい歌詞。
そして彼女の話題性は謎に包まれているだけではなくて、既に東野圭吾作品2つの主題歌を担当している点にもある。
(WOWOWドラマ「幻夜」と今年の映画『白夜行』)
かくいう私も『白夜行』の予告編で、この曲良いなーと思っていたから彼女を知ったわけだが。
ここでミソなのは、
どちらも 東野圭吾だということ。
有名作家なので分かる方も多いと思うが、
彼の作品は後味の悪いものも多い。ていうか重い。(だから私は好きだけど 笑)
つまり『白夜行』の予告編で良いなと思ったということは、
物語にマッチするような重い曲だということ。
それは例えば人間の業や罪に対して訴えかけるような。
そして今作のアルバムで彼女は大半の曲の作詞を担当している。
そこに私は恐ろしさをみた。
中学生が既にこの境地に至っているのか!?と。
私はいわゆる中二病だったので、このように人間を分析的に捉えられるようになったのは、「ハガレン」や「ひぐらし」後の高校時代だった。
だが、その変化も殆ど表に現れていたわけではない。
だからこそ、この思想を音楽へと昇華させている彼女に恐ろしさを覚えたのだろう。
でもここまで達しちゃって大丈夫なのかと思ってしまうのも事実だ。
あまりにも暗闇過ぎる。
曲に存在する光があまりにも淡すぎる。
では、アルバムの曲に移ろう。
また色とりどりの楽曲群なわけなんだが。
個人的には2曲目、夜想曲がすごい。
この曲は、映画『白夜行』テーマソングとなった。
まあ、まずは何も言わず、ただ聴いてみて。
http://www.youtube.com/watch?v=Txv2UQ8ayYg
壮大さとサビの力強さがなんとも素晴らしい。
予告編のときは、静かな曲かとも思ったが意外と音が多いのもナイスなポイント。
3.
けっこう早めの曲で、ギターサウンドを押し出しているためロック臭もする。
途中の鼓動音みたいなのを挿入して、変化があったり。
4.もけっこう面白い。SoundHorizonみたいにSEが入ってて、たまに女性の悲鳴も入ってる。
下から聴いてみて。
http://www.youtube.com/watch?v=uPXLXlykLQk
全体を通して「重い」曲調だが、楽曲パターンは多く、
正統派なミディアムテンポ・ロック調・SEを使った変化球などなど。とどまるところを知らない。
突如現れた彼女が今年の楽曲の中の「ヒカリ」になるかもしれない。
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1. チャイム
2. 夜想曲
3. The Shade
4. ヒカリ
5. 嘘の破片
6. 「い」ないあなた
7. 光の彼方へ
8. 教室