観賞日
2012年7月16日
【70点】
沢尻エリカ復帰作。
「美」に狂う姿は、まさに和製「ブラックスワン」。
個人的にはブラックスワンのごとく怒涛のラストに期待したのだが、
テンポの悪さで少しケチがついた感がある。
中身自体は興味深いものではあった。
自らの肉体に負荷を与える手術台の上のライトと、
スポットライトや記者のカメラが同じものであるかのような描写が個人的にはお気に入り。
手術台に乗り、自らを傷つけることと、
人々からの羨望のまなざしが注がれるスポットライトの上にいることが同じ…
つまり彼女にとっては、その場所に居るために手術を受けているのにも関わらず、
どちらも苦痛になっているということだ。
自分を抜け出すために「創り」だした自分によって、縛られている。
沢尻エリカがまるで「りりこ」そのものような気もしてくるような作品。
主演作・アーティスト活動…スポットライトの数が増えていき、ついには「崩れて」しまった彼女のようだ。
りりこがヤケになり、「タレント活動も歌も向いていない」というセリフを発するがまるで自分自身向けているかのようにもとれる。
その点で、この映画は沢尻エリカのための映画なのだ。と感じ取れる。
あと大森南朋が演じた麻田のセリフがいちいちクサすぎてちょっと…という点はあった。
他の人物と比べてあまりにもリアリティがなさすぎるというかなんというか、
私は喋るたびに苦笑してしまいそうになっていた。
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