こっち向いて Baby/Yellow /[ryo(supercell) feat. 初音ミク /kz(livetune) feat. 初音ミク ]

ホンモノの「デジタル」ロック時代

こっち向いて Baby/Yellow

こっち向いて Baby/Yellow



本作は、音声合成ソフトVOCALOID初音ミク」をボーカルに用いたシングルCD 。

クリエイターチームsupercellとlivetuneからそれぞれ2曲提供したものだ。






VOCALOIDはもともとは音声合成ソフトだが、音楽をバックに流すことで唄わせることがメインになった。つまり、本当にデジタルに作られる歌だ。


デジタルな歌声なので、恐らく人によって聴けるか聴けないかは真っ二つにわかれるだろう。


また、VOCALOIDは普通に唄わせるだけでは到底まともな唄い方にはならないらしく、

VOCALOIDを用いた曲で完成度の高い曲を作り上げるには高い作曲スキルとテーマ性、そして歌声を調整する能力が必要になる。

私はそんなにVOCALOIDの曲を聴いているわけではないのだが、VOCALOIDはクリエーターによって全く違う「プロデュース」のされ方をするので非常に興味深い。



















これがオリコン9位にきたというのが、やはりそういう時代ということか。

そもそも今の時代だからこそ、こういった動画サイトから出現したクリエーターの評判が瞬く間に広がり、メジャーに出ても通用するようになるのだろう。

最近よくいわれる「総クリエーター」時代の象徴でもある。



CDというメディアが変わりつつある今、動画サイトから新たなプロを見つけ出す、そしてパッケージ化するという新たなレコード会社戦略が取られている。

関連アルバムやライブDVDの売り上げも軒並み伸びていることをみていると、もはやメジャーレコード会社が無視できない領域まで市場が拡大したのだろう。



















この商品の話に戻ると、
supercelllivetuneの曲で大きくカラーが異なっている。



supercellはハードロック。the・ロックンロール。
最近のアーティストで言うとBAWDIESがそれにあたる。

supercellの曲は、「メルト」もそうだが、ロックをしていながらも
どこか綺麗さ・爽やかさを追求しているところが見受けられた。

それだけにこの曲調は以外だった。さらに「初音ミク」にもシャウトさせるなど、
本当にロックを追及している。



livetuneはテクノ調。初音ミクの曲といえばこういう感じかというイメージ通りではあるが、その完成度は高い。

歌声と絶妙にマッチする感覚は、pafumeを聴くときに感じるものと同じだ。

パフュームも、クリエイターの中田ヤスタカが歌声さえも曲を構成する要素のあくまでひとつという考え方だ。ここが相通じるから同じもの感じるのだろう。








ちなみに1年位前、渋谷センター街で一日中前述の「メルト」が垂れ流しにされていた日があった。
こうやって刷り込んでいくのだろうか…




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