劇場版 SPEC〜天〜


SPECとは人間を超えた力を持つ人間。心を読む能力、予知能力や時間を止める能力など人知を超える強大な力を持った者たちのことをSPECホルダーと呼ぶ。

警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策室係(通称:未詳)の当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)は、時間を止めるSPECを持つ一十一(ニノマエ・ジュウイチ)(神木隆之介)との決戦などなど様々なSPECホルダーと闘ってきた。
そして彼らは今回、洋上のクルーザーで複数のミイラ化した死体が発見された事件を調べていた…

観賞日
2012年4月21日


【70点】







テレビドラマシリーズから続く、物語の劇場版。


「劇場版なんてやらねー」と最終回で言っていたのにやるとはなんという天邪鬼。
しかもタイトルは“天”。テレビシリーズのラストが“起”、そして4月初めのスペシャルが“翔”(承)、ときて“天”(転)とくれば当然“結”も…







この映画、問題なのはこれまでの話をすべてきちんと追わねばわからないところ。
これだけ観ても100%わかりませぬ。




だが、これだけは言える。これまでのシリーズで好きなポイントがあるならきっと楽しく観れるはずだ。
私自身、この作品のあえて外している、B級感が大好きだ。

ドラマでありながらマンガ的であり続ける、厨二病的なストーリー。そしてひたすらふざけ続ける潔さ。


日本映画でよくあるのは、無駄に背伸びをしてコケる事。だがこの映画はそれを気にしない。というかこの作品は外すことがそもそもの持ち味。だからこの映画にすべてを求めるのはナンセンスで、オサレ感を求めるのが得策だ。











さてさて肝心の内容だが、最終作を用意しているだけあってそこまで文句はない。



しかし個人的には、劇場用に伊藤淳史栗山千明などの新キャラクターを用意しているのに
最後のほうでそれらのキャラがなあなあにされているのは納得できない。というかもったいない。伊藤淳史はまさかの本人役なのだからもっと楽屋ネタやらで攻められただろうし、SPEC能力もこれまでのキャラと比べるとかなりブレてる。

栗山千明は最後完全に忘れられた存在に…次回に期待。


厨二心をくすぐるワード、演出はバリバリ全開で、次回への引きもしっかりある。やっぱりこういう持ってき方するのか…とニンマリさせられる。続くことを前提としてないと肩透かしをくらうかもしれないが。





加瀬亮の気合の演技はこれまで以上。血管ブチ切れそうなすさまじさが画面いっぱいに広がる様はもう面白すぎる。