テルマエ・ロマエ


古代ローマ人の浴場(テルマエ)設計技師のルシウス(阿部寛)は、騒々しく心を休められない現在のローマの浴場に疑問を感じていた。

浴場で悩んでいた彼は、風呂の底にあった穴に吸い込まれ、風呂に溺れてしまう。
気が付くと彼は、現代日本の銭湯へとタイムスリップしていた。

「平たい顔」の民族に囲まれたルシウスは、驚くほどの知恵と文明にあふれたこの浴場に衝撃を受けるのだった…



観賞日

2012年5月3日




【85点】






笑える「大作」映画。
これまで漫画原作の大作映画には何度裏切られてきたことかわからなかった。

しかし今作は自信を持って言える。これは笑える「大作」だ!と。



そもそも阿部寛をローマ人役として起用しようというぶっ飛んだアイディアを考え付いた人間がいたこと自体が凄い。

その時点でこの映画のぶっ飛び具合は決まっていたのかもしれない。



主役の阿部寛はまさに迫真。
大真面目なキャラをあの顔の迫力で大真面目に演技するのだからおかしくてしょうがない。

麒麟の翼』でも特筆すべき演技を見せたが今作には及ばないかもしれない。
そう思わせるほど圧倒的。






本気でぶっ飛びにかかるとなんだかおかしみが生まれてくる。
真剣なんだけどおかしい。このシュールさにはやられた。

ゲラゲラよりもククッっという笑いが自然とこみあげてくる。

この映画のすさまじいところは、その笑いを生み出すために細かい細かいところまで怠らないところ。
何度見ても新たな発見がありそうな「突っ込みどころ」の多さには驚嘆させられた。