NARUTO -ROAD TO NINJA-ロード・トゥ・ニンジャ

観賞日

2012年7月22日





【70点】





毎年夏恒例となった、人気漫画ナルトの劇場版。
今作は、「ワンピース ストロングワールド」の成功に倣ってか、
原作者の岸本先生が全面協力。
ストーリーにも大きくかかわっている。

実は今作の真価は、週刊少年ジャンプ本誌に読みきりで掲載されたナルトにある。
これを読んでから映画を観れば、読みきりと映画のありとあらゆるところを
リンクさせて作成していることがみて取れる。

如何にこの作品に気合が入っているかがうかがえる。







この作品は「親子の絆」をテーマにしている。

どちらかというと、子供と一緒に観に来た親に刺さりそうな話。
もちろん、これまでナルトを観てきたファンにとってはかなり刺さる。

ファンの間でも名エピソードと名高い「ナルト誕生」を基礎としているため、
なかなか奥深い話となっている。

ただ逆にその話を知らないと、話を飲み込みにくい。





特にジャンプ映画で言えることだが、
これまでの劇場版では、劇場版自体で独立しているエピソードのため、
序盤は説明的、後半でド派手に展開、のようなテンプレ的になっていた。

今作は逆に、原作の割と最新のところまでベースとなっているため、
少年時代のナルトの基本知識しか知らないファンには厳しいところが多い。


原作に根差し過ぎても、全くのオリジナルでも
客にとってはわかりづらくなるということが分かる。
原作が長期にわたる作品の、劇場版のバランス感の難しさだろう。




腐女子にとっては、暁の登場などはキャーキャーものだろう。

ただ、せっかくキャラの性格が逆になるという世界観なのだから、
もっと逆性格のキャラを活躍させてもよかったのではないかとも言える。

序盤だけで終わってしまうのはもったいない。




主題歌アジカンの化学反応は最高。「遥か彼方」のテイストを漂わせる名曲。

鋼の錬金術師」での「リライト」、「ソラニン」での「ソラニン」などに続く、
新たな代表作となるだろう。