警視庁本部内で人質籠城事件が発生。人質は、各部の部長ら幹部12名。犯人の動機は不明。要求もないまま、時間だけが過ぎる。いち早く事件に気づいたのは、偶然に犯人と遭遇した神戸尊(及川光博)とその連絡を受けた杉下右京(水谷豊)の特命係。
彼らは、犯人が元警視庁刑事であることを突き止め、事件解決へと奔走するが、
籠城事件の裏には警察内部の闇が存在していたのだった…
観賞日
2010年12月24日
【70点】
「相棒」シリーズはなんとなくは知ってますけど、真剣に見たことはないので今回は初心者目線でのレビューです。
まず、結論から言うと、
最初は65点にするつもりでした。
メインの事件、警視庁占拠が思ったよりもスケールが大きくなく、
あまりにもテレビドラマくらいのノリだったからというのがまずあります。
(友人から、普段「相棒」はスケールが大きい事件をよく扱うと聞いていたのも原因ですけど(汗))
確かに、警視庁幹部全員を人質にするというのはダイナミックな展開なわけですが、
いかんせん拡がりが薄い。
丁寧な捜査を描くのは良いのですが、
どうしてもテレビでいいんじゃないかっていう捜査。
さらに、警察内部のドス黒い闇をかなり抉ってくれるのかと思ってワクワクしていましたが、真相は意外にも予想の範疇。
実際、最初から配役とかで大体想像がつくというのはどう考えても欠点だし。
だが、今回なぜ+5点評価になったかというと、映画を観進めていくうちに、
籠城事件は「前菜」に過ぎなかったということが徐々に分かってくるからだ。
籠城事件は、今作品の大きなテーマの中のピースのひとつに過ぎない。
それは、「正義とは何か」というもの。
国民を守るべき警察というものが、あくまでも存続がかかっててくる「組織」であることの矛盾や汚職を引き起こしている現状。
それに対しての杉下右京の、信念・正義というものが今作品の見所だ。
それによってシリーズを見たことが無い自分でも右京の魅力の一端を感じ取れた。
もちろん時折奇想天外な行動を見せるキャラクターの面白さもあってなのだが。
さらにその大きなテーマを象徴するものとして、
ある大きな衝撃がラストに襲い掛かる。
この衝撃で+5点評価になったといっても過言ではない。
シリーズ常連の方なら必見のラスト。
海外ドラマのシリーズ最終回を思わせるような衝撃っぷりには驚かされた。
今作を始めてみる人は、まずメインの人物関係だけでも把握しておくこと必要だ。
逆を言えばそれだけで普通に観れる作品には仕上がっているので、
友達がシリーズの常連視聴者なら何とかなる筈です。