TRY UNITE!/Hello! /中島愛

自分を更新するのは自分自身だから

TRY UNITE!/Hello!(初回限定盤)(DVD付)

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中島愛は、2008年放送の『マクロスF』で声優デビューし、シングル『星間飛行』(ランカ・リー=中島愛名義)と『ライオン』(May'nとの共演)をリリース。オリコンチャートではそれぞれ最高5位、3位を記録した声優・歌手。


その後は、個人名義でアニメ『こばと。』、『たまゆら〜hitotose〜』のエンディングテーマも担当した。
今作も例に漏れず、テレビアニメ『輪廻のラグランジェ』オープニング、エンディングテーマとなっている。







やはり中島愛というとマクロスFのイメージが大きいだけに、その後の音楽活動が狭められてしまっているイメージがある。

もちろん前述のマクロスのキャラクターソングや主題歌だけでもすでに名曲なわけだが、
どうしてもそのイメージがあるせいか…




















1曲目のTRY UNITE!は、Rasmus Faber作曲。






彼は、スウェーデン出身のDJ、プロデューサー、ピアニスト、ソングライターであるが、日本においてはラスマスのシングル・コレクション『So Far』が2004年に大ブレイク、Makainote nativeなどとともに〈美メロ・ハウス〉ブームの立役者となる。
さらに2009年には11月に北欧最高峰のジャズ・ミュージシャンと共に日本のアニメ・ソングをカヴァーした豪華企画アルバム『Platina Jazz -Anime Standards Vol.1』をリリースし、ニコニコ市場においても購入者が3000人を超える大ヒット(2012年現在)。
ニコニコ大百科より)






という異例のアーティストを抜擢しているだけに、背景がかなり特殊な楽曲となった。
ハウスチューンに、作品の世界観を思わせるようなスペースサウンドが振りかけられている。

どことなく菅野よう子を思わせるので、ハウスを普段聴かない人にもお勧めなんだろう。←普段聴かない人
こういったコラボは、ジャンル間の橋渡しをして音楽の間口を拡げるという役割を果たすだけに今後もどんどんやっちゃって欲しい。
いいぞもっとやれ。




楽曲途中で「まるっ!」など、ヒット曲「星間飛行」のような掛け声が収録されているので、どうして「星間飛行」を想起してしまう。
どちらが良いのか一概には言えないだろうが、個人的には無い方がラスマスのサウンドがより際立つのではと思ってしまった。



















個人的にオススメな2曲目は、作詞・作曲・編曲・プロデュースが北川勝利(ROUND TABLE)。





坂本真綾のシングル「マジックナンバー」やアニメ「それでも町は廻っている」のEDテーマへの楽曲提供や、自身のROUND TABLEでも多くのアニメ主題歌を担当してきた。(『NHKにようこそ!』OP、『無人惑星サヴァイヴ』ED、『ARIA The ANIMATION』EDなどなど)


中島愛の得意とするところの、前向きなガールズポップナンバーだけに、爽やかさMAXの非常に心地よい仕上がり。

<誰かのためじゃなくて 自分で決めた気持ちだから>という歌詞と、威勢よく・姿勢よく歩いていけそうなサウンドが絡み合ってパワーはさらに増している。1話しか観てはいないが、本編の物語とも結び付いているだろう。


若干「星間飛行」メロディ?














TRY UNITE!はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=gLGyUa3OeGY&ob=av3e


↓Hello!はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=NSMizmzL-X0










どうしてもマクロスの大ヒット曲の影がよぎる中島愛だが、それを踏まえた上での曲であるとも考えられる。

これまでのシングルではわりとおとなしめの曲が多く、歌手・中島愛として過去のヒット曲を打ち消すような様子が見えていたが、
今回はそうではなく過去のヒットを踏み台とした上で、というイメージが強い。

自分を更新して、新たなステージへと上がるのは自分自身といった様相か。

キャラクターソングとしてではなく歌手・中島愛としてのレベルをもう一段階押し上げたシングルになった。