不可思議「だけど」聴いてしまう。いや「だから」聴いてしまう。
- アーティスト: 相対性理論
- 出版社/メーカー: みらいrecords
- 発売日: 2010/04/07
- メディア: CD
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相対性理論は、紅一点Vo.やくしまるえつこを中心とする4人組バンド。
2008年5月、1stアルバム『シフォン主義』をみらいレコーズよりリリース。
そして、その年の第1回CDショップ大賞になった。
スマスマなどでも流れた「LOVEずっきゅん」は中毒性も高く、
彼女らの強烈な印象を植え付けた。
「全天候型ポップ・ユニット」を名乗る。その名の通り、どんな状況にも対応しうるようなポップな音楽を展開する。というよりももはや「相対性理論」というジャンルを確立している。
特徴はVo.やくしまるえつこのやる気があるのか無いのかわからないハイトーンなボーカル。
いわゆる不思議ちゃん。このボーカルにしてこのバンドありき。
メロディーラインのノスタルジックさが更にそのムードを引き立てている。
歌詞のシュールさも同様。彼女らの曲は曲名だけでシュールすぎる。
(「地獄先生」や「スマトラ警備隊」など)
さらに連譜を多用したリズミカルなメロディが特徴的で、作詞作曲はメンバー全員で行っている。
正直今までのアルバムは音も悪く、どこかバンドの音量もちぐはぐだったので世間の評価の凄さにどこか疑念を抱いていた。(「LOVEずっきゅん」を除けば)
しかし今作でついに彼らの凄さが凡人である私にも理解できた。
というのも、荒削りだった今までの作品とは異なり、音が整理されていて(特にギターが活躍)聴きやすくなったからだ。
また、曲数が大幅に増えた(倍増)したことも要因となっている。
アルバムにおけるバランスが凄く良い。
アップテンポ、ミドルテンポの多彩な並びは聞き飽きないところだ。
今まで敬遠していた方にもオススメできる領域に仕上がっている。
オススメは1,2,3,6,9,10
私の「相対性理論」に対するイメージを一変させたのは、
特に3,9の2曲。
他の曲はミステリアスさとポップさがまず自分の頭に飛び込んでくるわけだが、
純粋にカッコいいと思った。
それは前述のギターの活躍にも関係しているだろう。3.のギターのリフは非常に素晴らしい。9.はドラムが大活躍、疾走するロックサウンドが気持ち良い。
彼女らのイメージどおりのナンバーは
2,10だろう。
2は「LOVEずっきゅん」のPVのアンサーソング。
<パラレル パラレル>というフレーズをひたすらに繰り返すサビ部分は一度聴くと耳から離れてくれそうに無い。
10.は出だしの歌詞からして凄い
地球が崩壊したから、今日から三週間目覚めてはいけないというストーリーは半端じゃない。それでいて、三週間も寝ていたら小学館のビックコミックスピリッツの「MONSTER」が読めないというシュールなギャップ。
全体的に宇宙をふわふわと漂っているような音楽が面白い。
やくしまるえつこは次にどう出るのか、とりあえずは今月出る異色の曲、「COSMOS vs ALIEN」のフルバージョンの完成度に注目だ。
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