COSMONOAUT/BUMP OF CHICKEN

星々が輝く「そら」に想いを馳せる

COSMONAUT

COSMONAUT



BUMP OF CHICKENは、もはや説明不要の4人組バンド。

「天体観測」、「スノースマイル」、「カルマ」などなど数多くの名曲を生み出し、
常にその動向が注目されるバンドだろう。

今回、前作より3年ぶりとなる6thアルバムをリリースした。













正直、今回バンプのアルバムを買うつもりは無かった。
ミスチルのときと同じ状況)

バンプだったらどんなレンタル屋にもCDが多めに置かれる。
それよりもツタヤでレンタルできないような若手バンドを買ったほうが良いと思うし、

前作のアルバムで正直がっかりして、レンタルでいーやーと思うようになっていたからだ。







なぜ買ったか。
それはこのアルバムが全く自分が意図していたモノと違う位置にあったからだ。


プラネタリウム」、「メーデー」の流れを汲んだ前作にもけっこう宇宙的なサウンドが大きかった。だが、個人的にはアルバム全体を通して聴けるほどテンポも流れも良くは無かった。アコギ中心の曲も多くてバンプのアルバムというよりは、ボーカル藤原基央のアルバムだったと思ってしまった。






今回は一味違った。
視聴機で再生し始めたとたん、流れてくる曲はまさしく、バンド「NUMP OF CHICKEN」のそれ。
そして、ワクワクするような曲の流れ方。今までバンプのアルバムを最初から通して聴くことは余り出来なかったのだが、思わず聴いてしまった。

というわけで、買い(笑)
















最近のバンプが大きく変わったのは、
サウンドと歌詞の両面だろう。


「天体観測」、「sailingday」など初期はかなり肉厚で、
重低音が響いていたサウンド。太い音。


そのサウンドは「プラネタリウム」以降、
キラキラしたようなサウンド(まさに宇宙の様相)と、穏やかなポップサウンドが増えた。

ギターも音が細めの曲が増えた印象。







また、
「今」を切り取るような歌詞と、「K」など強い物語性を持った歌詞、といったような特徴を持っていたが、

昨年のシングル「R.I.P.」以降から、少年時代・過去の思い出・過去への郷愁を思わせる曲が増えてきた。

30歳という年齢に至ったことで、
今だけではなく、過去から現在、未来へと至る新しいアプローチ方法が顕著になってきたのだろう。熟練にしか出来ない味がある。















今作のオススメは
1.〜7.への流れと、10.12.



特に最初のトラックから7までの流れは秀逸。



1.「三ツ星カルテット」は、
自分以外のバンドのメンバーを3つの星として、
<自分と星が出会い、音符という記号となる>という曲。

ある種爽やかさにあふれる、これをオープニングナンバーとして、
4人の演奏がはじまっていく。まさに1曲目に適当だ。







2.は前述通り、昨年のシングル曲。

メーデー」などの流れを汲む曲でありながら、
Rest in Peace (安らかに眠れ)というアメリカなどでは墓石に書かれるメッセージが表題ということで、寂しさも内包した曲だといえる。

自己の思い出を語りだすような、内へと向かうナンバーだが、
我々リスナーという外の人間も共感できる魅力を持っている。



その魅力が最高潮に達しているのは、7.「魔法の料理」。
さすが、NHK「みんなのうた」の月間主題歌。

とんでもない奥深さを持った、共感の曲。











さらにアルバム曲、
4.「分別奮闘記」は、夢をどういったゴミに分別するかを歌ったアイリッシュ風のナンバー。

3.6.はアップテンポで、かつ他の曲とも被らないような曲。






だが自分は10.「セントエルモの灯」をアルバムのハイライトだと感じた。

凄く綺麗な曲で、冒頭からひたすら続くアルペジオが印象的。


しかも終盤はよりロックらしく、ギターが強さを増す。

つまり、静と動のバランスが秀逸。
ここから聞いてみて。





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1. 三ツ星カルテット

2. R.I.P.

3. ウェザーリポート

4. 分別奮闘記

5. モーターサイクル

6. 透明飛行船

7. 魔法の料理〜君から僕へ〜

8. HAPPY

9. 66号線

10. セントエルモの火

11. angel fall

12. 宇宙飛行士の手紙

13. イノセント

14. beautiful glider