心を照らし出す"光"が届いた
- アーティスト: androp
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2011/09/21
- メディア: CD
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andorpはメディアに殆ど姿を現さない、4人組バンド。
2009年の年末、ミニアルバム「anew」で突如としてシーンに現れ、これまで合計3枚のミニアルバムをリリースしてきた。
そして常に真剣さ・美しさ・聴きやすさを同居させるサウンドは各地で話題となっていった。最もオススメする新人バンドのひとつだ。
ちなみに「anew」のレビューはこちら
http://d.hatena.ne.jp/chairmanzx/20100903/1283537841
昨年はじめ視聴機で偶然聴き、とてつもない衝撃を受けてから1年半以上…
ついに彼らのフルアルバムがリリースされた。
しかもこれまでの曲は一切含めず、全て新曲。
そして、また彼らはやってくれた!
このアルバムはあらゆる面において素晴らしい。
まず装丁からだ。彼らのアルバムは毎回趣向が凝っていて、「note」のときはノートがCDを入れるケースになっていたり、「door」のときはめくる仕様になっていたり。
今作でも面白さがある。アルバムにあるスリープにある、一本の線は触っていると色が明るく変わる。さらに中身のCDケースは真っ黒だが、中を空けると鮮やかな色が拡がっている。相変わらずのこだわりが感じられる
真っ黒いCDケースの中から鮮やかな色が現れる、その演出は、まるで暗闇から光が差し込むかのようだ。
アルバムの内容自体もさらに進化を感じさせてくれた。
「relight」という名の通り、再び明かりを灯すかのごとく歌詞が全体として明るい方面へと向かっている。
真剣な歌詞が多い彼らだが、今作ではその真剣さにユーモアさが混じっている印象もうける。その効果で、ポップさが随所に散りばめられている。
だがそれは安っぽいポップさを常に回避している。だからこそポップスにありがちな一時的に感じる快感だけではなく、長く彼らの楽曲を好きになれる。
単純にリズムだけではなく、歌詞の面でも噛み締められるからだ。
そしてまたサウンドの面でも気付きがあり、
サウンド面でも意外な点が多かった。
前作「door」からあからさまなエフェクターの使用が増え、大幅にサウンドを変化させようという試みが感じられたが、そのアルバムが完成だとは思えなかった。
今作では、その"試み"と最初に聴かせてくれた"衝撃"が同居する。
それどころか新たな一面すらも。
オススメは全曲。余すことなく聴いてほしい。
オープニングナンバー1.Storoboは、静から動へと移行する曲であり、
アルバムへの気合が感じられるような力強さを持っている。
<また今はじまる>
<目は背けない><君照らす 一瞬を夢と呼ぼう>
まるでこのアルバムの曲たちが、私達を照らしてくれることを宣言するかのようだ。
2.Bellは<ほらもう少し!>というフレーズがサビでメインになるだけに、キラキラとした希望に溢れる曲だ。
アップテンポと歌詞の「初期衝動を信じて行動を起こす」という部分が重なり合い、とんでもないハーモニーを生み出した。
Bellの視聴はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=jkqMwQfxhk8
進化したサウンド面。
3.は重厚なサウンドと、とてつもない疾走感から成り立つナンバー。突然パンクな様相になるので驚くが、驚かさせてくれるのが彼らの本懐なのだろう。
しかも歌詞中に<1、2、3を>というのが繰り返されるあたりにもユーモアセンスを感じる。
4.ShowWindowはまるで前作「door」の曲「MIrrowDance」へのアンサーソングだ。
サウンド面でも歌詞面でも共通性が見られる。
5.Bright Sirenは、彼らの得意な壮大なイメージを持ったミディアムテンポな曲。
そこに前作にあった変化のつけ方が加わることで、さらに楽曲としての完成度が高まっている。
↓Bright Sirenはコチラから
http://www.youtube.com/watch?v=hYgw7XRf5nc
ラストはシークレットトラックで終わる。
この曲はまさかのアコギ弾き語りで、伸びやかなボーカルが生かされている。
とにかく、染み渡ってくる。
彼らなら、また楽しませてくれる。心にまた"光"を灯してくれる。
そう思えるような名盤が誕生した。
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1. Storobo
2. Bell
3. Train
4. ShowWindow
5. Bright Siren
6. Tara-Reba
7. Pray
8. Flashback
9. Noah
10. Yurarari
11. Hoshidenwa
12. Relight
13. 雪の無い町(シークレットトラック)