STRAIGHTENER/ストレイテナー

"変化"を経ての原点回帰

STRAIGHTENER

STRAIGHTENER






4人組ロックバンド、ストレイテナー。今作は、彼らの7枚目のメジャー・フルアルバムだ。





前作「CREATURES」からは1年以上ぶりだが、このアルバムと前作の間には「STOUT」というミニアルバムが出されていた。










実は、この「STOUT」がなかなかの曲者だった。
アルバム9曲のうち8曲が以前の3人体制までの曲を、4人で新たなアレンジで取り直したものだった。

つまり、"原点"を再考し、新たな形で再構成を果たしたわけだ。
より力強さと音の厚みを増したこのアルバムが、4人組としてのストレイテナーを決定付けたのは間違いない。













そして今作、タイトルは「STRAIGHTENER」。初のセルフタイトルだ。バンド名を冠したアルバムと言うことで、その本気度の高さが伺える。
そしてこのアルバムタイトルは、4人で「STRAIGHTENER」であるということを高らかに宣言しているかのよう。










そしてサウンド面でも、これぞストレイテナーだ!という面が伺える。

かなり実験的な名作であった前作「CREATURES」とは違い、ライブチューンが目白押しだ。

ちなみに前作のレビューはこちら
http://d.hatena.ne.jp/chairmanzx/20100814/1281810088





この疾走感と重厚なサウンドは、彼らの知名度を爆発的に高めたシングル曲「Melodic Storm」を含んでいた、かつての名盤「Dear Deadman」を想起させる。











その名盤を想起させる意味でも、このアルバムは「STRAIGHTENER」という名を冠するに値するわけだ。
原点回帰の中に進化がある。4人編成によるバンドサウンドの重厚さもそうだが、実験的「CREATURES」を経たことでアレンジ面での進歩度合いも著しい。


先行シングルでは、良くも悪くも攻めのライブチューンだった「VANDALISM」や「VANISH」が今作ではprototypeとなった。
この2曲が全く違う楽曲へと変身しているのも、前作から開拓された彼らの新たなサウンドクリエイトなのだろう。















そんなアルバムのオススメは、
1,2,5,7,10,11






アルバムのオープニングを飾るのは、「LIGHTNING」や「CLONE」の流れを汲む
「A LONG WAY TO NOWEHRE」。
力強さが印象的で、アルバム全体の力強さも代表しているかのようでもある。これが来た瞬間、「このアルバムはくるな」と期待させてくれるわけだ。


A LONG WAY TO NOWEHREはコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=J2ctlBYcrmA













先行シングルとしてもリリースされていた5.「YOU and I」。


イントロ部分のスラップベースが印象的で、サウンド全体に奥行きを与えている、渋くてカッコいい曲。



「YOU and I」はここから↓
http://www.youtube.com/watch?v=7VgZ6bepCjc










同じくシングル曲で、最も今作で輝いているのが11.「羊の群れは丘を登る」だ。




タイトル、歌詞からしてもうストレイテナー節が炸裂してる上に、アッパーなサウンドはかの「Melodic Storm」を想起させる。

だが、聴いた瞬間に惹きつけられる切なすぎるイントロは「Melodic Storm」とは違う。ここまでに積み重ねてきたサウンドメイクの成したイントロに間違いない。

その意味でも今作は、4人体制となった今後のストレイテナーの代表曲の1曲として数えるべきものだ。



ラストサビ後のシャウトは必聴。





↓「羊の群れは丘を登る」はコチラ
http://www.youtube.com/watch?v=AnlzEJcDRxs










最近のストレイテナーらしく、サビで一気に爆発する2.「プレアデス」、
疾走系にも関わらず静けさにも似たクールな雰囲気を持ち合わせる7.「氷の国の白夜」や初期のノリが嬉しい11.「プロローグ」などのライブチューンももちろんオススメのナンバーとなっている。





ーーーーーーーー

1. A LONG WAY TO NOWHERE
2. プレアデス

3. VANDALISM -Prototype-

4. KINGMAKER

5. YOU and I

6. LEAP IN THE DARK

7. 氷の国の白夜

8. SILLY PARADE

9. CRY

10. プロローグ

11. 羊の群れは丘を登る

12. VANISH -Prototype-