もはやベテランの凄みと余裕
- アーティスト: チャットモンチー
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2011/04/06
- メディア: CD
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前作「Awa Come」の最終曲が、「また近いうちに」で終わったチャットモンチー。
その”宣言”どおり、彼女らは早くも(半年ほどで)帰ってきた。しかも全ての曲が新曲という形で。
前作では、初期と最新の楽曲を混ぜるという意外性で私たちを驚かせたチャットモンチー。そして今作では、全曲新曲だ。
全体として、前作のムードを持った感じがありながらも、今までのチャットモンチーの持っていた攻撃性も持ち合わせている。
ゆるいところはゆるく、しめるところはしめる。
このスタンスにはもはやベテランの余裕すら感じられる。
再生ボタンを入れてから、私がまず感じたことは「the Pillowsみたいだ。」ということ。
the Pillowsは既に結成20年を超えたベテラン。このアルバムにその凄みと余裕のムードがありありと感じられたということは、もはやすでに自分達の立ち位置を手に入れたということなのだろう。
アルバムの中でのオススメ曲は、
1,2,4,9,10,11
1.「バースデーケーキの上を歩いて帰った」
PVも制作された、アルバムのリード曲は自由で伸びやかなミドルナンバー。
しかし爽やかでゆったりとしたムードとは裏腹に、
<あとどのくらい 吹き消すだろう> <あとのどのくらい 繰り返すだろう>
<希望と絶望を>
という歌詞の内容のように、誕生日も解釈しようによっては
”希望と絶望”を繰り返した証であるという曲だ。
ほんわかしたムードの中に意外とブラックな一面も持つチャットモンチーの特徴がわかりやすくでた曲だろう。
だが、
<吹き消す覚悟は出来ている 酸いも甘いも藪の中>
という決意の覚悟も見せている曲だ。
視聴はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=fv07eVy-YwQ
2.疾走系のアッパーな曲で
<明日も変えたいのなら 強さも弱さもスキップして>
<とにかく前へ とりあえず前へ>
という自分をナビゲートする決意に満ち溢れた曲。
どことなくthe Pillowsの「New Animal」のような佳曲だ。
4.「草原に立つ二本の木のように」
<おい そこの自分>という呼びかけから始まるこのナンバー。
力強さを感じさせる歌詞と同様に、演奏も力強さに溢れている。
9.「少年のジャンプ」が個人的にはアルバムのハイライト。
”ただ”の少年が<たった一つの正解>を探して、音をかき鳴らすという歌詞は、アジカンの名曲「振動覚」を思わせる。
これは”ただ”の人に向けての応援歌のようで、ひたすらに勢いがある。
ラストの盛り上がりはアジカンの「ソラニン」、「新しい世界」のようでもある。
10.は何だか歌詞がダーク。
そして疾走系ながら、演奏もかなり重厚感溢れるように仕上がっている。
アルバムのラストである11.はタイトルどおり、「余韻」に浸れるような曲。
リラックスした様相に溢れていた前作とは違って、歌詞でも演奏でも随所に力強さをみせた今作。
”余裕”を手に入れた彼女達には怖いもんなしだ!
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1. バースデーケーキの上を歩いて帰った
2. レディナビゲーション
3. 謹賀新年
4. 草原に立つ二本の着のように
5. 涙の行方
6. Boyfreiend
7. 桜前線
8. Last Kiss
9. 少年のジャンプ
10. 拳銃
11. 余韻