シャーロック・ホームズ シャドウゲーム



欧州各地で起こる連続爆破事件を調査しているホームズ(ロバート・ダウニーJr.)は、事件の奥に黒幕がいることを察知する。
その名は天才・モリアーティ教授(ジャレッド・ハリス)。

ヒントを求めてホームズは、結婚式を目前に控えた相棒のワトソン(ジュード・ロウ)を連れてあるクラブに訪れ、ジプシーのシム(ノオミ・ラパス)を訪ねる。しかし何者かに襲われる。

各地に仕掛けられたモリアーティの罠をかいくぐりながら、ホームズは事件解決へと導くことが出来るのだろうか…






観賞日

2012年3月21日




【70点】












世界的な探偵小説、シャーロックホームズを大胆にアレンジし大人気となった映画『シャーロックホームズ』。












『アイアンマン』でおなじみのロバート・ダウニーJr.が肉体派のホームズを演じ、
従来のホームズ像をいい具合に壊しながらも、決して残念なキャラになったわけではなく
むしろ新鮮さによって面白さを与えていた。



さて、前作で新たなホームズ像は定着しただけに、今作ではどうするのか?と期待していた。
さらにホームズの宿敵となるモリアーティが出るだけにさらに期待度は高まっていた。






まず真新しさはあまりなかったように思われる。



個人的には2人の天才による推理合戦を期待し、「おーなるほど」と驚嘆の声を上げてしまうようなものを望んでいた。

前作で武闘派ホームズはすでに見ただけに新しい面にもスポットを当てて欲しかったからだ。
こちらの予想を裏切ってほしかった。

だがやはり今回もアクション。アクション。アクション。
やんちゃなホームズはとにかく画面狭しと動きまくる。
その感じは、前回も観たけど…























アクションでの見どころはなんといってもスーパースロー、ストップモーションを多用したシークエンス。
ホームズはその頭脳で相手の動きを完璧に予測し、どう対処するのかの計画を立てる。


その「推理」がスローモーション、ストップモーションで表現され、実際のアクションがハイスピードで展開されるのだが、
先にホームズが種明かしをしてくれるのでアクションシーンで何をやっているか非常にわかりやすい。

恐らく実際にアクションシーンを構築する際もこうやってひとつひとつの行動をゆっくり整理し、
構築していくのだろう。









さらに銃を撃つときに、弾が装填され発射される様を内部から事細かに、ゆっくりと描くのも面白いところ。
一瞬の出来事をスローにすることで、観ているこっちとしては「発射される!」と身構える。


さらにその弾がホームズたちをかすめていくところはさらにドキドキ感をあおる。
アクションがこの映画の肝だけに、アクションに関しては安心のクオリティだ。






















この映画ならではのゆるーいボケやホームズの(時としてこちらをおいてけぼりにするほどハイスピードな)推理は、
やはりストーリーの面白さをなしている。


ただし、推理部分と現実部分がめまぐるしく交錯する箇所もあるのでしっかりと見極めて欲しい。









今作は、前作のように最後に一番の盛り上がりが来るのではなく、
作中で何度か中ぐらいの盛り上がりがある程度。

舞台が広がったにも関わらず若干の小ぶり感があるのはなぜなのだろうか。
決戦のラストの部分にもっと時間とスケール感を割くか、盛り上がりを集中させるべきだったのでは?と感じてしまう。

ちょっと今回は場当たり的?









そこが残念な点だった。最後の決戦もなんだか肩すかしに終わってしまう。

個人的に、『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』に出てきたモリアーティ教授のイメージがあるだけに、
正直今回のモリアーティは小粒な感が否めない… というのも彼がいちおうのラスボスの立ち位置にいるからだ。





ロバート・ダウニーJr.の強烈なホームズにくらべてしまうとさらにそう思える。


















だがあの伏線回収にはやられたと思った。(あんまりメインストーリーに関係ないけど)
これは観てのお楽しみ。



このシリーズのユーモア・アクションの爽快さはやみつきになるシロモノだけに、
今後も続いてほしい。まあ2で終わることはほとんどないと思いますがね…


http://www.youtube.com/watch?v=jR9yJ2S7p2Q