2014年映画ベスト10 詳細

※後々、ベスト20詳細になる予定です※


10位「アクト・オブ・キリング

大量虐殺の被害者ではなく、加害者に焦点があたったことによってとてつもないものへと変貌を遂げた映画。一人の人間の中で「正義」だったものが、得体のしれない「何か」へと変わっていくラストは圧巻。今年のラストシーンの中ではダントツでした。序盤が少ししんどかったのでこの位置ですが、このドキュメンタリーは明らかに価値観を変えた。


9位「6才のボクが大人になるまで」

同じ役者で12年間撮り続けたことによって、特殊メイクで年月の経過を伝えるのとは違う、生の変化があった。それぞれが年をとってきたという証がそこにはあった。この映画には生きている一瞬が断続的に、まさに人生そのものの断片が収められている。



8位「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

アメコミファンから見てもどう考えてもB級にしかなりえないんじゃないかと思っていた。ハイ、ごめんなさい。このふざけたスペースアクションはクソ最高なんだ。ロケットラクーンはまるでC-3POR2-D2を組み合わせたようで、最高なんだ。そして伏線。

全てがアベンジャーズへと収束するなら、きっと前人未到の領域の作品がいつか観れるかもしれない。



7位「神様のカルテ2」

前作は櫻井翔にスポットがかなりあたったことでありがちなジャニーズ映画となってしまったが、今作は藤原竜也柄本明といった役者を加え、3つの夫婦の図式、という新たな軸が出来たことでそれが緩和された印象。むしろ櫻井翔宮崎あおいのコンビがちょうど良い具合の割合になっていた。
あと私事を言うと、老夫婦話にはやはり弱い(笑)



6位「思い出のマーニー

作画の幻想的な雰囲気と温かさが融合したプロットでグッときました。内容に触れるとネタバレになるのでとくには触れません。
ただ、演出的にも遠回しな部分も見受けられる以上、これはおそらく子供にはわかりづらいのかなーと思ったり。その部分は従来ジブリが求められてきた部分からは若干逸脱しているかも?低年齢層は絵本のように楽しむのかなとも思えるがどうでしょう。



5位「X-MEN:フューチャー&パスト

X-MEN最新作。過去編と現代編が融合するというこれまでのシリーズの集大成的な作品。もう原作から知っているだけにハードルも高かったが、それを上回った印象。ウルヴァリンのシリーズ:2作とX-MENシリーズ:4作が帰結する、ラストの感動はひとしお。
X-MENシリーズに触れたことある人は必見!



4位「猿の惑星:新世紀ライジング)」

前作も素晴らしい出来だった猿の惑星のリブートシリーズ。「争い」が起こる構造を見事に描いた快作。ヒトにもサルにも感情移入できる、できない点を散りばめて正解が存在していない空気がなんともやるせない。いわゆるダークな2作目としての責を果たした作品だと言える。
アメリカ式3部作だと次がラストになるが果たして。





3位「誰よりも狙われた男

名優、フィリップ・シーモア・ホフマン主演最期の作品。ドイツで繰り広げられる、テロ対策の情報戦。静かなる情報戦の緊張感はスリリングで、さらに静かなる戦いの中、利用できるものはどんな手段を使っても、という主人公を演じたホフマンが凄すぎる。

そのセリフ、「“Make the World a Safer Place, Isn’t That Enough?”」そしてラスト。鳥肌。
とにかく渋くクールな作品が好きな方にはオススメ。



2位「チョコレート・ドーナツ」

公開館が拡大し続けた感動作。簡単に言えば、弁護士とドラァグクイーンのゲイカップルが親に見捨てられつつあったダウン症の子供と暮らすという物語。
お涙頂戴映画なんでしょ?という疑問に対してはイエス。だが、単純かと問われるとノーだ。
音楽映画でもあるし、差別問題を考える映画でもある。とにかく100分にぎゅうぎゅうに詰まっている。寝るときに読み聞かせする時に「ハッピーエンドの話がいいな」というセリフが頭から離れない。




1位「ゴーン・ガール

1位〜3位でかなり迷ったが、一番「やられた!」と思った今作をトップに持ってきました。

デヴィット・フィンチャー監督の最新作は、作中でジャンルが何度も変わり、最後にはとてつもない衝撃を客へと突きつける。まるで冷たく研ぎ澄まされた刃のように、シークエンス、音楽、主演陣の演技、作品すべてがトータルで迫ってくる。

ただし、単純にイチャイチャしたいだけとかスカッとしたいだけのデートムービーにはならないなぁと思うのでご注意ください。