原点の地で、原点を追う先に
- アーティスト: チャットモンチー
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: CD
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チャットモンチーは3人組ガールズバンド。
シンプルなギターなどにも関わらず、歌詞や変則的楽曲な展開で人々を魅了してきた。
(ちなみにアジカンとチャットモンチーはギター初心者に一番もってこいなバンド)
さらにVo.&Gt.の橋本絵莉子の伸びやかで可愛らしい、しかし芯の強さを持ったボーカルも楽曲の魅力のひとつとなっている。
昨年の傑作アルバム「告白」は彼女らの一種の完成形だった。
だからこそ次に何を繰り出すのか、という点に注目が集まっていた。
そして、ミニアルバムの今作。
彼女らの地元、徳島でレコーディングされたのだが、
なんと8曲中4曲はデビュー以前の未発表楽曲。(どれがその曲かは非公表)
だが、最近作られた曲もデビュー前の曲もアルバムの中では一緒くたになり、絶妙なバランスを構成している。
初心忘れるべからず、とはよく言うものだがここまで融合させることが出来るというのも素晴らしい。
普通はデビューから数年経ち、人気アーティストの仲間入りを果たせばどうやっても過去の曲とのギャップが生まれてしまう。
しかし、地元徳島でのリラックスした雰囲気からだろうか、「告白」の頃のイメージを裏に秘めながらも、初心に帰ったような曲で溢れている。
リラックスした(歌詞がユニークな)曲と少し重い曲がほぼ交互に流れるというのも確信犯的。
だが、もちろん楽曲が退化したというわけではなくて、初期のノリを馴染ませながら次のステージへと進む準備が出来ているかのようなスタンスだ。
オススメは
1,2,3,6,7。
1.ここだけの話(ノイタミナ枠アニメ「海月姫」オープニングテーマ)は、間違いなく、いや本当に本当にキている曲だ。今期のドラマとアニメのテーマ曲の中でも屈指の曲。
リラックスしてつくられたんだなぁと思わせる歌詞。
静と動のメリハリ、今までのチャットモンチーにはなかったアレンジ。
サビを敢えて排すかのように、一番の盛り上がり所では演奏のみ。
普通ここにサビを入れるようなものだが。
その「敢えて」を平然とやってのけてしまうのがチャットモンチーがチャットモンチーたる所以か。
終わり方もまたこの楽曲がループしてもおかしくないような終わり方。
そのせいで授業中この曲が永遠とループする羽目に(笑)。
2.キャラメルプリンという、いかにも甘酸っぱそうな曲を連想させるタイトルだが、全く逆だ。
ゴリゴリでハードなギターは、キャラメル部分の「苦味」を内包しているのか。
どこか切なさが残る歌詞。そこにも「苦味」が混じっている。
チャットモンチーではおなじみになりつつある、ギターソロで終わる終わり方も余韻を残す。
3.は、はじめは郷愁感溢れる普通のナンバーかと思った。
それは突然、サビ前でリズムが変化し、
<酢橘酒で乾杯!!(グラスの音)皆々様乾杯!!(グラスの音)>
!??
終いには
<それでは皆さんお手を拝借 (手を叩く音)>
なんとユニークな楽曲か。地元への感謝で溢れるようなイメージは、UVERworldの「ハイ!問題作」にも共通していることだが、どこかネジを飛ばした曲へと昇華出来るらしい。
それにしてもライブでどれだけ盛り上がるかわからない。是非、カンパーイ!と手を叩く部分は実際に体感してみたい曲ではある。
6.7.は”らしい”ナンバー。
6.はスラップベース(多分)が奏でる跳ねるような楽曲が心地よく、最後のドラムとギターの追い込みも良い。
7.は「染まるよ」や「恋愛スピリッツ」を連想させる、スローな切ない曲。
一分半強のアコースティックの弾き語りでアルバムをしめてしまうのにも意外性。
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1. ここだけの話
2. キャラメルプリン
3. 青春の一番札所
4. 雲走る
5. あいかわらず
6. セカンドプレゼント
7. My Sugar View
8. また、近いうちに