デジタルの温もりに触れる
- アーティスト: シグナレス
- 出版社/メーカー: felicity
- 発売日: 2011/02/02
- メディア: MP3 ダウンロード
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「シグナレス」は、
シンガー・ソング・ライター「ゆーきゃん」と、エレクトロ・ダブ・ユニット「あらかじめ決められた恋人たちへ」のリーダーである鍵盤ハーモニカ奏者/トラックメイカーの池永正二を中心としたプロジェクト。
とのこと。
それぞれのバックボーンであるUSインディ・フォークとダブはもちろん、ジャーマンロック、ニューウェーヴ、ハウス、シューゲイズそしてチルウェイヴといった多様な音楽フォーマットを融合しながら、日本語詩にこだわった真のサイケデリック・ポップを生み出すべく精進を重ねる。
という説明があるが、正直私はこのシューゲイザーやデジタルな感じのジャンルにはどうも弱いので、詳しいことはようわかりません(笑)
立ち消えそうなボーカルの儚さがデジタルとマッチしている。
ただ、一つ言える事はこのCDに収録される曲たちにはジャンルの垣根がない。
常にデジタル・ポップの領域だということだ。だが、その彩られ方は自由自在だ。
もう一つ注目すべき点は、日本語詞が非常に印象に残る点。
私の今までの経験ではどちらかというと、デジタル音楽はともすればミュージックの方に重点が置かれ、歌詞の方はミュージックの方に引っ張られるorミュージックの方に聴者の意識がいってしまうのであまり印象に残らない。
そこを考えると今作は、非常に日本語の「チカラ」を持った曲なのだろう。
その日本語詞の「チカラ」に独特の温もりを感じた。
というか、だから私は購入したのだが。
1.はなかなか壮大なシンセで始まるオープニングナンバー。その壮大さに思わず引き込まれてしまう。
そこに、ギターの音やどこか儚げなボーカルの歌声が組み合わさることで素晴らしい化学反応が起こる。
2.はまさに今回のアルバムのハイライトのひとつのダンスチューン。
そこにゆらゆらとした音が加わることで、まるでデジタルの波に乗っているような感覚に襲われる。
8.には昨年、七尾旅人とのコラボでも話題を呼んだ「やけのはら」によるミックスも収録されている。こちらはデジタルの海に浸かっている2.とはうって変わって宇宙のイメージが強い。だが、どちらでも素晴らしい曲なのは確かだ。
視聴はこちらからどうぞ↓
http://www.youtube.com/watch?v=QmjBWXvZOyc
5.も非常に面白いナンバー。
パーカッション?などなど手数・転調が非常に多いナンバーで聴いてて飽きることがない。
儚げなボーカルも、より呟きのようになっている。
<迷子の君が探し続けた夜を広げて すべて空にはなつのさ>や<なくしたものを忘れてしまおうよ>というサビ?の歌詞にあるように、この部分では特段に解き放つことを強調するビートが刻まれる。
音楽につられて、聴いているものを解き放つ気分になる。
力強い。
LOST
http://www.youtube.com/watch?v=UHysI0DGnlgl
7.は
アコースティックギターを非常にフューチャーしている楽曲。
ここまでデジタルデジタルしいものが大半だったので、意表を疲れた。
最後にこれをもってくるかと。
これがとてもポップで、ある意味では普通。だが、ある意味では普通ではない。
シューゲイザー、デジタルものでいきなりこの楽曲が出てくるのはすごく文脈的に不自然なのだが、アルバムの最後にはまさに適任の曲。
「ああ、終わりか」というノスタルジーをも誘う。
デジタルものが好きでない私でもここまで聴いてしまうアルバムなのだから、そういったタイプが好きな方には是非聴いてほしい盤だ。
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1. y.s.o.o.
2. ローカルサーファー(Album Ver.)
3. パレード
4. 太陽の雨(Album Ver.)
5. LOST
6. 風
7. 星の唄
8. ローカルサーファー(やけのはらREMIX)