予想を遥かに超えて羽ばたく”超新星”
- アーティスト: ねごと
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2011/07/13
- メディア: CD
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名盤。
「ねごと」は10代限定の音楽フェスにしてオーディションである、
「閃光ライオット」の2008年審査員特別賞を獲得した4人組ガールズバンド。
昨年度はミニアルバムをリリースし、今回が初のフルアルバムとなる。
ちなみに前回のレビューは「コチラ」
前回のレビューでは、チャットモンチー+たむらぱんという例えで、まるで彼女らにオリジナリティが無いかのような書き方をしていたが、今回はそんな例えが意味をなくすほど「ねごと」サウンドが完成していた。
その証明の一つは、前回のミニアルバムで圧倒的存在感を放っていた「ループ」がこのアルバムにおいては全く脇役に成り下がっていたからだ。全てが「ループ」並。いや、それ以上かもしれないクオリティで構成される。
キーボードを交えたバンドサウンドはさらに洗練され、前作までの様にただただ光っているわけではなく、光と闇の要素が入り混じることで光るべきところはより一層光り輝く。断然メリハリが違う。
全く若さとは恐ろしいもので、
昨年ミニアルバムのみ聴いたGailleo Galileiやねごとがあっという間にとんでもなく化けた。こんな感じだろ?というコチラの予想を軽々と飛び越えて、素晴らしいクオリティを提供している。
例を挙げれば、前者は「僕から君へ」、「青い栞」。後者は「カロン」、「メルシールー」といったシングル曲が、表現力でも力強さでもとんでもない傑作だった。
そんなわけで期待してこのアルバムの視聴機に触れた。
当然のごとく期待以上。
このアルバムのオススメ曲は、
はっきり言えば全曲だ。是非全てじっくりと聴いてほしい。
ただ、アルバムの統一感という観点で見ると少しバラバラな気もしなくも無い。
だがこれは「ねごと」の名刺・自己紹介みたいなもの。
ここから始まると考えるのが妥当だろう。
そんなわけで
全曲オススメなわけだが、特にすばらしい流れは
1〜6までの流れ。
1.の「サイダーの海」からもういきなり全開だ。
ハイテンポな爽やかポップを展開する。一発目の勢いとしては充分。
それぞれの楽器がしっかりとキャラを持っているのも聴きのがせない。
そして前述の2.「ループ」はもちろん安定している。
とにかくわかりやすく、頭に残るサビとキラキラ感。
しかし3.「カロン」が名曲過ぎて2.も霞む。
2.よりも余裕を持っているメロ部分。
より力強さを増したサビ。<何度夢をくぐったらきみに会えるの>部分の伸びはハンパではない。文字化するならば「なぁぁんど」みたいなレベルだ。
auのリスモのCMで嫌っていうくらい流されたので聴けばこれかと分かる人も多いだろう。
下記のリンク先から是非曲全体を聴いてほしい。
カロン(ライブ版)
http://www.youtube.com/watch?v=rIGd3u0lUwE
4.最初の三曲とはうってかわって重低音が目立つナンバー。
歌詞にも「ため息」「終点」など暗さを持ったワードが並ぶ。彼女達のサウンドの深化の顕著な例となっているナンバーだろう。だからといってもキレイさは残っているが凄い。
5.曲の局面ごとにキーボードの音が目立ってくるこのナンバー。
キラキラしたキーボードを排することでねごとの曲に変化を与えている。
これもまあとにかく頭から離れないスルメ曲。
メルシールー(short ver.)はコチラから↓
http://www.youtube.com/watch?v=d7kzU4Y9kH8
6.
6分超の長めのミディアムバラードナンバー。しっかり王道の感じもやってのける。
優しさと明日への強さが調和している良曲。
7.のように歌詞も音も少しひねくれたナンバーもあり、8のようにギターとベースが良い味出してるエッジーなナンバーもある。
12.みたいに「インストゥルメンタル」なのに歌詞があったりするのも面白い。
ピアノ(キーボード)バラードからまるで次のアルバムへの序曲の如く勢いを増していくというのも12.の聴き所のひとつなわけだが。
49分間。あっという間です。
こうなったら更にコンセプトのあるアルバムも聴いてみたい。可能性の塊。
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1. サイダーの海
2. ループ
3. カロン
4. ビーサイド
5. メルシールー
6. ふわりのこと
7. 七夕
8. week...end
9. 季節
10. AO
11. 揺れる
12. インストゥルメンタル