放課後ティータイムⅡ/放課後ティータイム

「放課後」の完成形



今作は、余裕で初動売り上げ10万枚を突破したという怪物アルバム。

TVアニメ「けいおん!!」内のバンド、放課後ティータイムの劇中歌やイメージソングを収録した作品。




基本的には曲は、アップテンポで元気良く、歌詞は可愛らしく、というのが「放課後ティータイム」のコンセプトだろう。






前作はミニアルバムだったということもあり、若干物足りない内容だった。

だが、今作は曲数がグッと増えている。

曲数が増えることで、それぞれの曲につく作曲家が増え、「放課後ティータイム」としてのバランスが崩れるのではという心配もあったが、逆にバリエーションの多さがアルバムに面白みを与えたに違いない。






















特にオススメは
4,6,7,9


個人的には、先行シングルと出ていた2.5.8.よりも今作で初収録の曲の方が面白い曲が多い。


歌詞が一番が変なのはもちろん、「ごはんはおかず」ではあるが…
この曲を聴いて衝撃を受けないという人はいないだろう。
そこを狙っているのだろうから。


掛け声やテンポの速さはライブ向けで、非常に盛り上がれるというのも計算ずくか。














6.は歌詞は、まあ可愛らしさ優先ですね。

素晴らしいのはギターが唄うようにメロディーラインを奏でる点。

ロディアスなギターが最大の聴き所。







だが、自分としては今作品で一番評価したいのはミドルテンポのナンバーたち。


4,7,9がそれにあたる。



少し重々しいムードのある4.は、雨模様のイメージを膨らませる。

そしてSCANDALとかそういったようなバンドが求めるクールさの一端が垣間見える。

wikiによると、作曲家はテイルズシリーズの人らしい。














7.は
今までのOPを担当したTom-H@ck作曲作品。

「冬の日」というタイトルらしく、ギターのメロディーラインやキーボードの使い方も「冬」をイメージさせる。

つぶやくように歌い上げるメロ部分と、跳ねるようなリズムが印象的なサビ部分。

そのギャップがなんともいえない面白さを生み出している。

それでいてしっかりバンドサウンドしているところも凄い。色々な要素が詰まったナンバーだ。















8,9は作中でも披露された曲。


歌詞が真剣。

8.はその歌詞と、ギターが特徴的。いちいちギターのキメフレーズが入るところをみると、弾きたくなる様な曲と想定したのだろうか。多分弾いたら楽しいことは間違いない。



9.は卒業ソング。

ラストの曲ということで、メロディーラインは感動的。
サビの合唱も耳に残りやすい。

ここまでみてみると、ギターのメロディーの秀逸さがやはり光っている。
作曲家はそれぞれ違っても、「ガールズバンド」の一貫したテーマが生かされている証拠だ。









のこりの2曲はおまけだろう。

放課後ティータイムは合唱モノのキャラソンチックで、あまりバンドサウンドではない。

放課後ティータイムというものを締めくくるために用意されたお祭り的ナンバー。

ライブだと最後に流しそうな感じ。




















1〜9の流れの中で、
この「放課後ティータイム」というバンドは完成をみたと言ってもいいのではないか。



コンセプト、サウンド、キャラクター性、どれをとっても確立された。





だからこそ映画化のときどうでるのかが楽しみではあるのだが。







このアルバムについているもう1枚のCDはラジカセで撮ったという設定。

人物達の掛け合いがほほえましかったりするのだが、恐ろしいと思ったのは
そのこだわりよう。


演奏の音も生音らしく聴こえるようにされていて、わざと荒削りな演奏がなされている(ように聴こえる)。ラジカセ音源のように聴かせるミキサーの努力も含めて、とんでもない意欲作だ。






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1. いちごパフェが止まらない

2. ぴゅあぴゅあはーと

3. Honey sweet tea time

4. 五月雨20ラブ

5. ごはんはおかず

6. ときめきシュガー

7. 冬の日

8. U&I

9. 天使にふれたよ!

10. Interlude

11. 放課後ティータイム