探偵はBARにいる


"俺"は、札幌・ススキノの探偵(大泉洋)。寝ることが何より好きな相棒兼助手の高田(松田龍平)と共に依頼を解決する。

ある日、いつものようにバーで一杯やっているとコンドウキョウコと名乗る女から謎の以来を受ける。しかし、その依頼のせいで"俺"は命の危険にさらされることになる。



有名実業家(西田敏行)、クラブの美人ママ(小雪)、過去の放火事件…

真相を探る"俺"は、この依頼の複雑さを知っていくことになる。




観賞日

2011年9月22日






【80点】









東映がシリーズ化を見込んで映画化した今作は、今どき珍しい映画に仕上がった。


それもそのはずだ。東映は今や殆どみられなくなった『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』、『仁義なき戦い』のようなシリーズものをつくりたいという主旨から今作は作られているのだから。テイストがそちら側に寄っているのも納得だ。




原作は東直己のススキノ探偵シリーズ。(原作は92年から現在までに12巻刊行)
というわけでこの映画は足掛け16年という歳月がかけられた企画で、東映がなみなみならぬ気合を入れているのは間違いない。


それはヒット作『相棒』シリーズのスタッフを起用した点でもわかる。
東映さん、マジガチです。























何といっても大泉洋松田龍平のコンビが素晴らしい。

というかそれがこの映画の全てだ。だがそれだけでも魅力ある作品になってしまうのだからとんでもなく魅力あるコンビなのだろう。

ハードボイルド探偵と隙あらば常に寝る助手。凸凹で、掛け合いも面白すぎる。
シリアスな場面でも隣でちゃっかり寝ている高田がいるのが(笑)


これは次回以降も楽しみだ。






















龍馬伝』の近藤長次郎、ゲーム・アニメ「レイトン教授」シリーズのレイトン教授でハマリ役を得た大泉洋は、新たなハマリ役を得たことになる。

ハードボイルドをうたいながらも、ドジを踏んだり抜けているところもある探偵。時として情熱的に、二枚目なのか三枚目なのかよくわからないところが実に大泉さん"らしい"。








さらに「水曜どうでしょう」ファンは必見だ。なぜならこの探偵は、大泉さんが「どうでしょう」でしてきたホラ話に出てくる大泉さんそのものだからだ。

酒と女を愛する豪快さ… オーストラリア縦断やサイコロの旅3のホラ話を思い出してしまった。

ただ単に映画を観るだけではない楽しみ方が出来るのも今作の魅力の一つ。
























札幌で展開されるストーリーは、だいたいの筋が見えてきてしまうのが問題だ。
しかし全部が完全にわかってしまうわけではないのが、救いだと私は感じていた。


そのおかげで興ざめにはならず、最後まで観る事が可能になったからだ。
でも序盤である種、核の部分がわかってしまうのは惜しい。まあ小説だとわからないようにできるから映画だとどうしても不利になってしまうが。





PG12(12歳以下は保護者同伴)がついてしまったバイオレンスさや強引なエロさがあるのは若干鼻につくが、大泉洋の存在がその部分をカバーしてくれている気がする。なんとなく紛らわしちゃってる。

小雪の悪女っぷりも意外と板についている。


















物語の舞台となる札幌・ススキノ。

北海道となると大自然をイメージしがちだが、舞台は"今"のススキノ。
全編に渡ってファンクやジャズっぽいBGMが似合ってしまうのもこの舞台がなせる業か。


BGMが最も似合うのは、探偵がたむろっているBARなわけだが、此処の雰囲気がたまらない。「嵐にしやがれ」で紹介される大人なBARの感じで、「行ってみてぇ〜」と思わせる。

















魅力あるコンビやサブキャラクター…
雰囲気で見れる、シリーズモノ。今後も期待大。





↓予告編はこちらから↓
http://www.youtube.com/watch?v=KWN0wvFHdCQ