BUTTERFLY/L'Arc〜en〜Ciel

BEST OF ラルク 2008〜2011

BUTTERFLY(完全生産限定盤)(DVD付)

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言わずと知れたバンド、
L'Arc〜en〜Ciel12枚目のオリジナルアルバムは、なんと4年3か月ぶりのフルアルバム。


それだけに前回のアルバムからシングル曲がたまりにたまっていた。
その数なんと6枚分(実質7曲)。

それでいてこのアルバムの収録曲は11曲。
つまり新曲は実質4曲。これはもはや2008年〜2011年のベストアルバムといっても差し支えない。

デビルメイクライ4」のテーマとして作成された「DRINK IT DOWN」など2008年の作品のため、
ずいぶんと久しぶりな印象がある。


















そして本作の特徴はそれぞれのクオリティがシングルクオリティであること。
アルバム曲4曲も全く遜色ないレベルに到達している。むしろ個人的にはシングルを凌駕している点も多々ある。

それはある意味統一性がないともいえるのだが、ラルクの楽曲の完成度の高さによって統一性のなさなど打ち消されてしまう。






なぜラルクの楽曲はここまでバラバラなのか?
それはメンバーそれぞれが作詞・作曲を担当するためだ。

それぞれが持ち込み、メンバー内でブラッシュアップされていくために
4つの方向から楽曲が入ってきてラルクというフィルターを通るような状態になっている。

それでもラルクの楽曲のクオリティは落ちない。
いや、むしろ4人で作るからこそ新鮮さが供給されていく。












普通のバンドだとフロントマンが作詞・作曲を担当することが往々にして多いため、
曲の毛並みが違っても雰囲気は常に似てきてしまう。

だがラルクは違う。
バンド名の虹(フランス語)の名にたがわぬ通り、虹のように様々な色をみせる。


様々な色は2000年代以降の以降のソロ活動の本格化によってさらに加速した。
長くバンドを続けるには他バンドでの活動などのガス抜きが必要だと思われる。
ラルクはさらにガス抜きが良い作用をした結果の好例だろう。


90年代の活躍にはとどまらず、2000年代にも多くの名曲を生み出してきた。
このアルバムもそのガス抜きの成果が反映されているかのようだ。サウンドの熟練度の高さは計り知れない。

このような作り方はラルクにしかできないし、逆にメジャーデビューしたてのバンドがこういうものを作っても「なんじゃこりゃ」
となってしまう。























オススメは、
2,3,4,6,7,8,11





今回新録された曲についてクローズアップしていくと、
3.Bye Bye(作詞: hyde / 作曲: tetsuya)は、ダークさや妖艶さが際立つ1.2.とはうって変わってなんとも明るいファンタジックなナンバーだ。

実は2006年以降のライブでも披露されていたらしい。ということは本当に初めて披露されるのは3曲のみ(笑)





ニューウェイブっぽいイントロから始まる6.shade of season(作詞・作曲:yukihiro)も勿論高いクオリティ。
何とも不思議な浮遊感のあるサウンドを好むのがyukihiroサウンドの特徴のひとつで、この曲もさまざまな打ち込みのプログラミングがなされている。
それでも聴きにくくならず、切なさを孕んだミディアムチューンとしてスルッと聴けてしまうのがラルクの恐ろしさだ。







新録の中で最もオススメなのは、8.wild flower(作詞: hyde / 作曲: ken )だ。
wild flowerのタイトル通りのなんとも力強いギターロックに、ラルク独特の鮮やかさが追加されている。

ギターのken作曲だけに、ギターソロが随所に盛り込まれ楽曲の力強さを助長する。





アルバムのラストナンバーとなる11.未来世界(作詞: hyde / 作曲: ken )は、童話的な歌詞世界ながら未来をも見据えている。
長く続けているバンドにみられる特徴に、「愛」よりも「平和」という方面に重きが置かれることがあるが、ラルクはまさにそちらへ行ったバンド。

10thアルバム「AWAKE」(2005年)あたりからだろうか。鋼の錬金術師の映画、『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』の主題歌「Link」はまさにそれだった。
「未来世界」は穏やかに未来への余韻を残しつつアルバムを終える点が秀逸だ。









GOOD LUCK MY WAY(15秒)↓
http://www.youtube.com/watch?v=f0E6Uc9QJcM


















初回盤についてくるP'UNK〜EN〜CIELのアルバムも要チェック。むしろ個人的にはこちらを目当てに買った。
ラルクのメンバーがそれぞれ別パートを担当する面白い試み。しかもラルクの曲をセルフカバーし、パンクっぽくアレンジしている)


レコード会社の都合上単品で出せなかったようだが、これは単一のアルバムでも出せるクオリティ。
しかも選曲が渋い。「Round and Round 」や「Promised land」など過去のアルバムの名曲も入ってる。

ここから元の曲に戻ってみるのも面白いだろう。



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1. CHASE

2. XXX

3. Bye Bye

4. GOOD LUCK MY WAY -BUTTERFLY Ver.-

5. BLESS

6. shade of season

7. DRINK IT DOWN

8. wild flower

9. SHINE

10. NEXUS 4

11. 未来世界