新たな局面に入った彼らの輝きが詰め込まれた作品
- アーティスト: NICO Touches the Walls
- 出版社/メーカー: KRE
- 発売日: 2009/11/25
- メディア: CD
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NICO Touches the Walls は2004年結成の4人組バンド。
今作は2ndアルバム。
デビュー当初はミスチルに似た歌声がフューチャーされていたりもしたが、
実際のところ声は似ている。だが、サウンドはミスチルが正統派とすればこちらはいい意味で一癖もふた癖もある。
まず、楽曲のセンスが面白い。
初期の曲ではあるが、「武家諸法度」 「そのTAXI,160km/h」などのタイトルを見ればその特異さがわかるだろう。
曲も爽やかなものから、どこかカントリー風が入っている懐かしいロックなど多岐に渡る。そのどれもが癖があるにもかかわらず、耳に馴染みやすいというのもこのバンドの特徴だろう。
アルバムに話を移すと、
オススメ曲は1,2,5,6,9.
アルバム全体として漂うのは成長した詩。
対象が「自分と世界」へと拡がり、その中で自身が更なる成長をとげようとする決意表明ともいえる曲が増えた印象だ。
サウンド自体は今までの魅力=どこかカントリーな感じとマイナーさ も失ってはいないが、ポップソングとして洗練されたところもある。
アクが少し抜けたことで一般的に「聴き易く」なったのではないか。
オープニングナンバー1.は非常に短いが、アルバムに勢いを出す。そしてその勢いのままに2.ホログラムに繋がる。
そして名曲ホログラム。
鋼の錬金術師の2期、そして最終回の主題歌として使用されたこの曲は突き抜けて清清しい。
<真っ白な景色に誘われて 行く先も告げぬまま 何処までも突き抜ける>
<淡い残像 両目に焼き付けて この空の下どんなとこにいても かならず届くはずさ まだ見ぬ世界へ>
と、ラストのサビの気合の入り方は歌詞だけではなく、唄い方にも感じられる。
今までに無いほどに感情がこもったラストのサビには最初聞いたときに圧倒された。
鋼の錬金術師の世界観とマッチした上で、自分自身の更なる成長を誓うような曲だといえるだろう。
5,6も世界に対する自分という新たな側面が現れている。
しかしながら5.は今アルバムではもっともNICOらしいサウンドだ。
カントリー感がすごい。
個人的には9が今までのNICOらしさがかなり出ている曲だと考えている。
普通、曲で出てくるような男女の関係で「似ている二人」というのは
引き合うことを唄うが、この曲では「似ている二人」がN極とN極と表現され、
反発しあうとしている。
やはり面白い。
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1. Aurora
2. ホログラム
3. 芽
4. Lonesome Ghost
5. ビッグフット
6. かけらー総べての想いたちへー
7. 錆びてきた
8. レオ
9. N極とN極
10. 風人
11. 波
12. トマト