kikUUiki/サカナクション

本来相容れないものが交わり、新たな音楽の世界を創生する

kikUUiki(初回限定盤)

kikUUiki(初回限定盤)




サカナクションは5人組で、一般的なの4人編成にキーボードを組み込んだバンド。

フォークやクラブミュージック、ロックなど様々な音楽が独特の解釈によって、「サカナクション」独特の音楽としてつくられていくのが特徴。歌詞も非常に文学的で、日本語の美しさがある。

ちなみに彼らも前述のGalileo〜と同様に北海道からのバンド。













kikUUikiは彼らの4thアルバム。


このアルバムの先行シングル「アルクアラウンド」が週間チャートで3位にランクインするというスマッシュヒットを記録。個人的に前々から好きなバンドで応援はしていたが、この快進撃は正直なところ予想外だった。







タイトルの「kikUUiki」(キクウイキ)とは漢字で書くと「汽空域」。海水と淡水が交わる水域「汽水域」から創られた造語。ロックとクラブミュージックなど本来相容れないものが、混ざり合うところという意味からきているのだろう。














このアルバムの内容はその名前の通り、多くのタイプの音楽が並ぶ。

1つのバンドでここまで違うものを表現できるのか、と見事さに感心する。


汽水域ではなく汽「空」域としたのは、海水と淡水のような違いではなく、海と空との違いほどバラエティーに富んでいるからなのだろうか。

前作以前のアルバムよりも開放感が増しているというのも「空」を連想させる。
















オススメ曲は
3,4,5,8,10,12


特に3〜5の並びは相当「キテ」いる。



3.は独特のリズムから入る。

とにかく言い表せないような不思議な曲に仕上がっている。

どこか牧歌的な音が途中鳴りながらも、エレクトロ、ロックがメインと成っていく。






4.は前述のシングル曲。


夜の孤独、そして苦悩に苛まれる自分自身と向き合うような歌詞。

「歩く」という行動は自分自身で一歩一歩を踏み出していく行為。

まさに自分を探し、内省するという行為にぴったりだ。



歌詞はまさにアルバムの内容を代表したような曲だといえるだろう。



歌詞もさることながら、アッパーに刻まれるビートも相まって、
まさに歩いているときに聴きたい曲だ。


個人的には2010年度の中でも上位にくるべき名曲だと感じる。












5.のギターのチョーキングを多用するナンバーも聞き逃せない。

4.の重々しさとはうって変わって軽い感じのリズムに仕上がってはいるものの歌詞自体はなかなかの重さを持っている。


サビでの盛り上がり方は秀逸。










10.や12.はドラマティックなイントロから始まる、素晴らしいナンバーだ。

このあたりはどちらかというとJ-POP寄りにある曲だろう。



こういったポップなナンバーも作り上げてしまうところが彼らの魅力で、

それがアルバムに入っていても違和感が無いのも恐ろしい。







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1. intro=汽空域

2. 潮

3. YES NO

4. アルクアラウンド

5. Klee

6. 21.1

7. アンダー

8. シーラカンスと僕

9. 明日から

10. 表参道26時

11. 壁

12. 目が明く藍色

13. Paradise of Sunny