劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語


断言する。これは人によって全く評価が分かれる作品だ。

だが、2時間という短い時間の中で
呆気にとられ、興奮し、胸を打たれ、そしてまた呆然とする。



ここから若干ネタバレあり注意!!!


















ある意味、「告白」のようなラストの喪失感。

それはまるで「スターウォーズ エピソード5帝国の逆襲」のような、「スターウォーズ エピソード3シスの復讐」のような、「ダークナイト」のような、「バックトゥザフューチャーPART2」、「ゴッドファーザーPART2」のような。

そう、ここで気づく。これは3部作の2作目、しかも傑作とされる2作目なのではないかと。



TVシリーズの総集編、前編・後編の位置づけが第1作目と考えるとすんなり合点がいく。

ダースヴェイダーの5のあの絶望的なセリフ、そして3の誕生。ジョーカーの2者択一とトゥーフェイスへの堕落。ドクの消失と雨の中の手紙。マイケルの非情なる決断の数々。

そしてほむら。


今回はスターウォーズエピソード1〜3へのアナキンの心の揺れ動きと同様で、「愛」が喜びにも哀しみにも堕落にも結び付いている。

アナキンは母への「愛」、パドメへの「愛」が執着へと変わった。
それは今回も同じ。

TVシリーズ、導き手のマミの死はオビワン、クワイ=ガン=ジンの死と重なる。
総じて神話的体系の中にある物語である。


蛇足と感じる方は、TVシリーズのほむらが「変わってしまった」ということに納得が出来ない方であろう。当然その意見はあって然るべきだ。

ただ、それを単純にヲタク向けと割りきるのはスマートではない。むしろ作品になれていない方々の意見だろう。



ある意味、2次創作が作品を超えて肥大化された作品だからこそ、各々が持つイメージはより強固になっている。

スターウォーズ 帝国の逆襲」も今でこそ最高の続編と名高いが、
ハン=ソロの凍結、ダースヴェイダーが父親、そしてルークの片腕切断と敗北だらけだった。
だが名作足りえた。


今作も完結編ができれば本当の意味での傑作となれるのではないかという予感がする。