ミズカネ/藍坊主

曲によって色を変える、柔軟かつ力強いアルバム。

ミズカネ

ミズカネ

四人組のバンド、藍坊主。そのサウンドは優しく、力強く、歌詞は生命への愛で溢れている。













アルバム名、ミズカネは水銀のこと。常温でも固まらず、液体状の水銀は光の反射で色んな色に見える。まさにこのアルバムは曲ごとにその色を変える。「藍坊主」という変わらない要素を持ちつつも全く違う色を見せる。

オススメは1,2,4,10,12













毎回シングル曲では「泣き」曲とも言えるような曲を提供してくれる彼らだが、今回もシングル曲は例に洩れず感動できる。9.10.12.がシングルだが、とくに10.「伝言」は今年の曲の中でもトップクラスの歌詞だ。




<人は苦しむために生まれたんじゃない 人は幸せになるために生まれた>。J−POPのクサイ歌詞でもありそうなものだが、独特の重みをもつ藍坊主のサウンドでは真に心に響く言葉になる。そして、そのあと最後の歌詞として<暗闇の中で見つけた>と付け加えられる。何気ない一言だが、この言葉がこの歌をトップクラスのものへと昇華させた。












1.はオープニングにふさわしい壮大なナンバー。2.は疾走感に溢れている。4〜9までの曲は今までの藍坊主にはなかったようなものが並ぶ。アレンジがとにかく特徴的で面白い。そしてダークなサウンドもライトなサウンドも内包し、藍坊主が新たなステージに立ったのだと再認識できる。








聞き終わったあとにこんなにも”暖かさ”につつまれるとは。








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1. 低迷宮の月

2. ラストソング

3. オレンジテトラポッド

4. ボルツ

5. おいしいパン食べたい

6. グッドパエリア

7. 水に似た感応

8. 創造的進化

9. マザー

10. 伝言

11. 沈黙(月まで響くような彼らの幻灯)

12. 名前の無い色

13. いわし雲